宮崎国際音楽祭について

総監督ごあいさつ

佐藤寿美

宮崎国際音楽祭総監督 佐藤寿美

20回の節目を過ぎて今年からいわば成人式を済ませた音楽祭を開催するにあたり、「はじまる音楽の物語」というコンセプトを掲げました。徳永音楽監督とおよそ1年半にわたって相談、検討する中で、これまで築き上げてきた良質の音楽を更に高めていき、同時にそれをこれまで以上に多くの方に楽しんでいただく試みに挑戦しようという方針を固めました。そのことが演奏家にとってもそしてお客様にとっても、更には21回目からの音楽祭にとっても、新たな音楽の物語を紡いでいくことになると考えたからです。

今年も徳永二男さんのもとに音楽祭管弦楽団には素晴らしい演奏家が集結しますが、加えてウラディーミル・アシュケナージ、ピンカス・ズーカーマン、辻井伸行、三浦文彰、シューイン・リー、福井敬といった錚々たる顔ぶれがやってきます。本領の室内楽だけでなくオーケストラも充実を図り、現代音楽やオペラといった宮崎ならではのジャンルも更に魅力倍増を図ってまいります。

より多くの方に足を運び楽しんでいただこうという新たな試みを3つ用意いたしました。一つは「Oh! My! クラシック」演奏家や音楽関係者ではない方になぜ自分は音楽が好きになったか、人生の節目でどんな曲が忘れられないものになったかといったお話を聞かせていただきながら、お話に登場する曲を生で演奏家の方達がお聴かせするというものです。今年は元総理の小泉純一郎さんがどんなお話を披露していただくか楽しみです。

二つ目は「ポップス・オーケストラ in みやざき」音楽祭管弦楽団がクラシック以外の領域に挑戦しようというものです。今回は大河ドラマのテーマ音楽やスターウォーズなどの映画音楽を取り上げました。音楽祭生え抜きの三浦文彰さんが、話題の「真田丸」のテーマを生で聴かせてくれます。

三つ目は「500円コンサートの日」です。この日は劇場の3つのホールで7つのコンサートを行います。気軽に劇場を覗いて気が向いたコンサートをいずれも1コインでお楽しみいただこうというものです。

一人でも多くの方に、そして県外の方にも音楽祭に足を運びこれまでにない音楽体験をしていただく。そのことが一人一人のお客様にとっても「はじまる音楽の物語」になればと願っています。