演奏会の見どころ 聴きどころ

演奏会[1]語りと音楽
オルガンとトランペットのデュオ、そして「兵士の物語」
今回の音楽祭のオープニングを飾るのは、マルティン・ハーゼルベックのオルガンと、ラインホルト・フリードリヒのトランペットによるデュオです。
国産では最大級の宮崎県立芸術劇場のパイプオルガンですが、その音色がいよいよ音楽祭で鳴り響くことになります。そして、もうひとつは、ストラヴィンスキーがバレエ音楽として1918年に作曲した「兵士の物語」。演奏は、ヴァイオリン、コントラバス、クラリネット、ファゴット、トランペット、トロンボーン、打楽器がそれぞれひとつという室内楽の形態をとりました。ナレーションは、舞台・映画・テレビなどでおなじみの寺田農でした。
●ご存じですか?
マルティン・ハーゼルベックは、指揮者としても国際的に活躍しており、ベルリン・ドイツ交響楽団、ハンブルグ交響楽団、チューリヒ歌劇場管弦楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ベルギー国立フィルハーモニー管弦楽団、ノーザン・シンフォニア管弦楽団ほか、数多くのオーケストラにたびたび招聘されています。


演奏会[2]ブランデンブルク協奏曲全曲演奏会
J.S.バッハ没後250年を記念して
J.S.バッハは、約200年間にわたって音楽家を輩出したバッハ一族の中の最大の音楽家であり、1685年に生まれ、250年前の1750年にこの世を去りました。「ブランデンブルク協奏曲」という呼称は、1721年にJ.S.バッハがこの協奏曲集をブランデンブルク辺境伯ウリスティアン・ルートヴィヒに献呈したことに由来します。今回は第1番から第6番まで全曲をお届けいたします。全曲を一度に聴くという機会はなかなかありませんので、見逃せない演奏会の一つです。第1番は、ホルン、オーボエ、ファゴットの楽器を含み、大編成で堂々とした風格を示します。第2番は、トランペット、フルート、オーボエ、ヴァイオリンという高音楽器を独奏部に配し、輝かしい響きが競い合います。第3番は、弦楽3部が緊密なアンサンブルを繰り広げる、室内楽的な作品です。第4番は、華麗で技巧的なヴァイオリンに管楽器が彩りを添えます。第5番は、フルート、ヴァイオリン、チェンバロを独奏楽器とし、特にチェンバロが活躍します。第6番は、中低音域の渋い響きが基調となっており、6曲のなかでは最も古風な趣があります。
●ご存じですか?
「ブランデンブルク協奏曲」の原題は「種々の楽器による6つの協奏曲」となっており、合奏協奏曲の形式のものとに、当時使われていたあらゆる楽器を独奏楽器として使用しようと試みた点に特徴があります。


演奏会[3]室内楽の華
実力派メンバーで聴く室内楽
演奏会[3]では、プロコフィエフとドヴォルザークとブラームスの室内楽の名曲を豪華な実力派メンバーによりお聴きいただきます。
プロコフィエフの2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調は、ヴァイオリン2挺のみでの演奏という極めて珍しい楽器構成の作品です。チョーリャン・リンと竹澤恭子の個性のぶつかり合いが見どころ聴きどころです。ドヴォルザークの弦楽五重奏曲 ト長調では、徳永二男らの豪華ソリストで、民族的なニュアンスの強い第2楽章、歌謡的な旋律美に満ちた第3楽章など、ドヴォルザーク特有の作曲技法の展開をご堪能いただけます。ブラームスの弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調は、ブラームスの生涯で最も実り多い時期に作られたものであるため、新鮮で色彩豊かで幸福感に溢れています。
●ご存じですか?
演奏会[3]で演奏されるブラームスの「弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調」は、第2楽章の主題が、フランス映画「恋人たち」(監督=ルイ・マル、主演=ジャンヌ・モロー、ホセ・ルイ・ド・ビヴィラロンガ)やフランソワーズ・サガンの”ブラームスはお好き”を映画化したアメリカ映画「さよならをもう一度」に使われ一躍有名になりました。


演奏会[4]協奏曲 夢の響宴
実力派ソリストで聴く協奏曲の調べ。
演奏会[4]では、J.S.バッハ没後250年にちなんだJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲を3曲、それからヴィヴァルディとモーツァルトのヴァイオリン協奏曲を1曲ずつお聴きいただきます。女性ソリストだけでも、竹澤恭子、渡辺玲子、諏訪内晶子と華やかな実力派メンバーが揃います。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲 第3番ト長調では、巨匠アイザック・スターンが円熟した演奏を披露しましたが、特に、あのアインシュタインが「天から降ってきたような旋律」と絶賛した第2楽章の哀愁感溢れるアダージョが聴きどころでした。
●ご存じですか?
演奏会[4]では、ヴィヴァルディの「4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調」がチョーリャン・リン、竹澤恭子、諏訪内晶子、徳永二男という豪華な組み合わせで演奏されましたが、これ以外に演奏される4曲は、これまでの宮崎国際室内楽音楽祭で演奏されたことがある、非常に馴染みの深い曲目でした。


演奏会[5]至福のアンサンブル
実力派ソリストで聴く協奏曲の調べ
そしてスターンとカリクシュタインのデュオ。
2000プログラムの最後を飾るこの演奏会。まず、ボッケリーニのチェロ協奏曲 変ロ長調ですが、第1楽章のイタリア的で明るい主題の展開、第2楽章の憂愁に満ちたメロディー、軽快なロンドと華麗なカデンツァの第3楽章と、見どころ聴きどころの多い作品です。後半の2曲ではアイザック・スターンが演奏会[4]に続いて登場しました。そして、ブラームスの弦楽六重奏曲 第2番 ト長調は、渋みの効いたブラームスの本質がより強く感じられる作品ですが、ここでは、ジュリアード弦楽四重奏団のメンバーであるヴィオラのサミュエル・ローズとチェロのジョエル・クロスニックもソリストを務め、何とも贅沢な締めくくりとなります。


スペシャルプログラム
トップメンバーによる
ブラス・アンサンブル野外コンサート
みやざきの青空とブラスの響き。
前回、「グリーン博みやざき'99」会場内で多くの観客を前に盛大に行われた野外コンサート。今回はシーガイア イベントスクエア(多目的広場)に会場を戻して開催されます。前回同様日本を代表するオーケストラの首席奏者をはじめとする管楽器のトップ奏者達が皆さんにお馴染みの曲を披露しました。ご家族やご友人と一緒に、お気軽にお楽しみいただけたと思います。


スペシャルプログラム
ジュリアード弦楽四重奏団&カリクシュタイン演奏会
世界最高峰のクヮルテットと世界的ピアニストの共演。
ジュリアード弦楽四重奏団は、1946年、ニューヨークのジュリアード音楽院の校長であった作曲家ウィリアム・シューマンの提唱により創設されました。同音楽院の教授をメンバーとして構成され、創立50余年を迎えています。創設時から、現在のメンバーに至るまで、各パートそれぞれが入れ替わっていますが、その偉大なる伝統を今日まで継承しつづけている弦楽四重奏団です。今回は、世界の優れた弦楽四重奏団との舞台を数多くこなし、また、心を打つ強さと熟達した技術で喝采を博しているピアニスト、ジョーゼフ・カリクシュタインとの共演も実現します。シューマンのピアノ五重奏曲 変ホ長調など、人気のある室内楽の作品が演劇ホールに響き渡りました。


スペシャルプログラム
チョーリャン・リン
ヴァイオリン・リサイタル
チョーリャン・リンのヴァイオリンを聴く
サテライト・コンサート。
これまでに、欧米各地で一流指揮者、オーケストラと共演、またタングルウッド音楽祭、アスペン音楽祭など主要な音楽祭にも参加し、現在、ジュリアード音楽院で後進の指揮にも当たっているチョーリャン・リンが、その豊かな音楽性と技術を披露します。ピアノ伴奏は、質の高い演奏で多方面から強い信頼を得ており、現在、東京芸術大学助教授、東京音楽大学講師として後進の指導にも携わっている迫昭嘉。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調「春」やブラームスのヴァイオリン・ソナタの中でも最高傑作といわれている第3番 ニ短調など4曲が演奏されました。会場は、南郷町の南郷ハートフルセンター。県南地域をはじめ、多くの方にお越しいただきました。

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