ぷれぽ

【ぷれぽ】本番の様子をレポート!シリーズ「Oh!My!クラシック」~草笛光子『微笑みの年輪、そして音楽』~

更新日:2019年05月02日

 

 今年もこの季節がやってきました!「宮崎国際音楽祭」。4月28日に串間市で行われたサテライトコンサートを皮切りに、5月19日まで、世界に誇る音楽家たちの演奏が繰り広げられます。

 

 今日(4月30日)は、芸能界や政界など、さまざまな分野で活躍する著名人を招き、その人生の節目節目を彩ってきた音楽にまつわる思い出を聞きながら、一流演奏家にその楽曲を演奏してもらうスペシャル・プログラム「Oh!Myクラシック」。

 なんと、4回目となる今年のゲストは、「あんな風に素敵に年齢を重ねたい!」と世の女性たちの憧れを一心に集める大女優・草笛光子さんです!

 

 

 開演1時間前に到着したのですが、館内ではすでにたくさんのお客様が開場を待っていました。草笛さんの人気を物語っていますね~。やっぱり女性のお客様が多いでしょうか。

 

 まずはじめにステージに登場したのは、宮崎国際音楽祭の音楽監督を務める世界的ヴァイオリニスト・徳永二男さんです。あいさつの後、クライスラー「愛の喜び」を演奏。艶やかな音色は、ゲストの草笛さんをイメージしているようで、素敵ですね♪

 

 司会は、本県が誇る西都市出身のカウンターテナー・米良美一さん。宮崎弁を交えた軽妙なトークで冒頭から会場を沸かせます♪そんな米良さんの「メインゲスト、大女優の草笛光子さん!」という呼び掛けに応えて、草笛さんがいよいよ登場です!

 白地にオレンジ色の花が散りばめられた華やかな衣装に身を包み、大きく腕を広げて観客にあいさつをしながら、草笛さんが舞台に姿を表すと、会場からは割れんばかりの拍手!さすが日本のミュージカル創成期を担ってきた草笛さん。一瞬で会場中を魅了してしまいました…。

 

 今回のステージは、トークで草笛さんのこれまでの歴史を振り返りつつ、これまで携わったミュージカルやテレビドラマのメインテーマなどを演奏する構成。

 

 がんにおかされながら、亡くなるまでの6週間でダンスを習い、その講師と心の交流を深めていく高齢の女性を演じた近作のミュージカル「新・6週間のダンスレッスン」のテーマソング、ビーチボーイズ「God Only Knows」は、同作品の音楽監督を務めた大嶋吾郎さん、注目の若手ヴァイオリニスト・正戸里佳さん、作曲家でピアニストの加藤昌則さんによる演奏。草笛さん絶賛の大嶋さんのセクシーなハスキーボイスが、しっとりと会場を包んでいきます。

 

 ブロードウェイのミュージカルを数多く日本で初演している草笛さんですが、「ラ・マンチャの男」のアルドンサ役は当初なんとトリプル・キャスト。思うように稽古が出来ないもどかしさと厳しさでも心に残った作品なんだとか。この思い出の作品からは、代表曲でもある「ラ・マンチャの男」を若手ソプラノ歌手として期待を集める舟橋千尋さんが、可憐な容姿からは想像できないほどの勇壮さで朗々と歌い上げました。

 そして、米良さんがドン・キホーテになり切って、アルドンサの草笛さんを見つめながら「ドルシネア」を披露。手を取り合う2人の様子は、まさに舞台の1シーンのようでした。

 

 最後は、草笛さんが主人公・真田幸村の祖母・とり役を好演した大河ドラマ「真田丸」の中から、米良さんを相手にとりの最期のシーンを朗読。メインテーマを正戸さんと加藤さんが演奏しました。草笛さんは「ほかの真田ファミリーにも聞かせたい!」と感激もひとしおの様子。

 草笛さんは終わりに、「今日の観客の皆さんも本当に感謝。会場と波長というか、リズムがぴったり合って、一体になれる舞台というのは、役者にとっても何よりの宝物」とメッセージを残し、大きな拍手に送られて退場しました。

 

 舞台袖に入る間際まで、ダンスを踊るような軽やかなステップとチャーミングな笑顔を残してくれた草笛さん。これからも映像や舞台でお元気な、そして華やかな姿を拝見し続けたいですね♪(文:劇場レポーターのPyonさん)

 

 

Photo:K. Miura