出演者

徳永二男(音楽監督・ヴァイオリン)Tsugio Tokunaga (Music Director, Violin)

人気、実力ともに日本を代表する演奏家。ヴァイオリニストの父茂および鷲見三郎氏に師事。桐朋学園にて、齋藤秀雄氏に師事。1966年、当時日本楽壇史上最年少のコンサートマスターとして東京交響楽団に入団。1968年、文化庁在外派遣研修生としてベルリンへ留学、ミシェル・シュヴァルベ氏に師事。1976年、NHK交響楽団のコンサートマスターに就任。その後首席第一コンサートマスターを経て、ソロ・コンサートマスターの重責を担い、長年NHK交響楽団の“顔”として抜群の知名度と人気を誇る。NHK交響楽団在籍時代よりヨーロッパ、アメリカ各地から招かれ、とりわけ、ケルンでの現代音楽祭、ベルリンの日独センター柿落とし公演での、ヴォルフガング・サヴァリッシュ氏との室内楽コンサート、ニューヨークのカーネギーホールでの室内楽コンサートに出演して絶賛を博した。1994年にNHK交響楽団を退団し、ソロ、室内楽に専念。1992年より鎌倉芸術館ゾリステンを主宰し、1995年から2013年までJTアートホール室内楽シリーズの音楽監督を、1996年からは宮崎国際音楽祭の総合プロデューサーを経て2011年からは音楽監督を務めるなど、日本音楽界の中心的立場を確固たるものとしている。ソリストとしても、モントリオール交響楽団やイギリス室内管弦楽団など、国内外の主要オーケストラからたびたび招かれている。2008年から毎年、東京でリサイタル・シリーズを行う一方で、トーク・コンサート、タンゴ・コンサートなど、幅広い演奏会を全国で行っている。2015年は、ティボール・ヴァルガ・シオン国際ヴァイオリンコンクールの審査員を務めた。2016年には、楽壇生活50周年を迎え、多くの記念公演を行い、文化庁長官表彰も受ける。近年は指揮者として、東京フィル、広島響、宮崎国際音楽祭管弦楽団などと共演。2018年には、ギドン・クレーメルをソリストに迎え、クレメラータ・バルチカと広響の合同オーケストラを指揮して好評を博した。CDは、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ全集、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集や、パガニーニのカプリースなどをリリースしており、最新盤は「Tango」(オクタヴィア・レコード)。桐朋学園大学特任教授。

ピンカス・ズーカーマン (ヴァイオリン・ヴィオラ・指揮)Pinchas Zukerman (Violin, Viola, Conductor)

ピンカス・ズーカーマンは、50年の長きにわたりソリスト、指揮者、室内楽奏者として世界の音楽界で不動の地位を築いている。また献身的ともいえる教育活動は高い評価を得ており、そのカリスマ性で数々の若手音楽家に霊感を与え続けてきた。2018-19シーズンはロイヤル・フィルハーモニー管首席客演指揮者として10シーズン目、アデレード響のアーティスト・イン・アソシエーションとして4シーズン目を迎える。ロイヤル・フィルとはイギリス、アイルランドおよび韓国ツアーを、またロッテルダム・フィルとはソリストとしてヨーロッパ・ツアーを行う。このほかナショナル・アーツ・センター・オーケストラ、ピッツバーグ響、ロス・フィル、NDRエルプフィル、カメラータ・ザルツブルク等に客演する事が決まっている。ズーカーマン・トリオとしてはアメリカ東海岸及びイタリア、ドイツでのツアーを、またチェロのアマンダ・フォーサイス、イェルサレム弦楽四重奏団とは北米ツアーを行う。今シーズンはズーカーマンの70歳を記念するだけでなく、マンハッタン音楽学校の教育プログラム、ピンカス・ズーカーマン・パフォーマンス・プログラムの25周年にもあたる。またオタワのヤング・アーティスト・プログラムの芸術監督として後進の指導にあたるなど、世界各地で精力的な教育活動により器楽奏者として初めてロレックスのメントー&プロトジェ・アートプログラムの音楽部門のメンターに選ばれた。テルアビブ生まれ。ジュリアード音楽院でイヴァン・ガラミアンに師事。芸術メダル、アイザック・スターン賞を受賞。これまでに100以上の録音をリリースし、2016年にはドイツ・グラモフォンとフィリップスによる録音全集がリリースされた。最新盤はナショナル・アーツ・センター・オーケストラ、フォーサイスとのブラームス作品集、そしてロイヤル・フィルとのエルガーとV.ウィリアムスの作品集である。

ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン)Rainer Küchl (Violin)

1950年オーストリア、ワイドホーフェン・アン・デア・イプス市生まれ。11歳よりヴァイオリンを始め、14歳にてウィーン国立音楽アカデミーに入学。1967年よりソロ活動を開始。ウィーン・フィルをはじめ、ウィーン響、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、NHK交響楽団等のオーケストラ、並びに指揮者ではアバド、ベーム、バーンスタインらと共演。同時に数々のリサイタルや録音を行う。1971年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場管弦楽団のコンサートマスターに就任。同年ウィーン・フィルの仲間とキュッヒル弦楽四重奏団を結成。1982年ウィーン国立音楽アカデミー(現ウィーン国立音楽大学)教授に就任。1985年ザルツブルグ州知事より金功労勲章受章。1988年オーストリア共和国より学術、芸術に対するオーストリア名誉十字勲章受章。1994年オーストリア共和国に対する功績として共和国より大名誉勲章を受章。1995年ジュネーブにおける国連50周年記念式典および1998年長野冬季オリンピックにて世界代表コンサートマスターを務める。2001年ウィーン・フィル創設以来、現役のコンサートマスターとしては初めてウィーン国立歌劇場の名誉会員に選ばれる。2010年川崎市より市の名誉国際親善大使に任命。同年11月日本政府より旭日中綬章受章。2016年8月、45年間務めたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団およびウィーン国立歌劇場管弦楽団のコンサートマスターを退任。2017年4月、NHK交響楽団ゲスト・コンサートマスターに就任、現在に至る。ウィーン国立音楽大学正教授。キュッヒル・クァルテット、ウィーン・リングアンサンブルリーダー。その他、ソロ活動、審査員などを務める。

Official Website: https://www.rainerkuechl.com/

ミッシャ・マイスキー(チェロ)MISCHA MAISKY (CELLO)

ラトヴィア共和国生まれ。ロシアで学び、のちにイスラエルに移住。以後、ロンドン、パリ、ベルリン、ウィーン、ニューヨーク、東京をはじめ世界の主要コンサートホールで演奏活動を展開、熱狂的な支持を受け続けている。これまでにバーンスタイン、デュトワ、ジュリーニ、マゼール、メータ、ムーティ、アシュケナージ、バレンボイムといった名指揮者たち、さらにアルゲリッチ、キーシン、ランラン、P.ゼルキン、クレーメル、バシュメット、レーピン、ヴェンゲーロフほか世界のトップ・アーティストらと共演している。マイスキーの録音は世界各地で高い評価を得ており、日本のレコード・アカデミー賞を5回、エコー・ドイツ・シャルプラッテン賞を3回、パリのディスク・グランプリ賞など受賞、グラミー賞にもノミネートされている。マイスキーは、自らを「世界人」と位置づける。「イタリア製のチェロにオーストリアとドイツ製の弦を張り、フランスとドイツの弓で弾いています。娘はフランスで生まれ、長男はベルギーで、次男はイタリアで、三男はスイスで生まれ、そして今では六人の子供に恵まれています。私はアメリカの車を運転し、スイスの時計をはめて、インドのネックレスをしています。そして人々がクラシック音楽を評価し、楽しんでくれるところではどこでも、そこで家にいるようにくつろぐことができます。」使用楽器は、1973年にニューヨークのカーネギーホールにデビューした後に篤志家から贈られた1720年製のモンタニャーナ。

川久保賜紀(ヴァイオリン)Tamaki Kawakubo (Violin)

2001年サラサーテ国際ヴァイオリン・コンクール優勝、2002年チャイコフスキー国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門最高位受賞以来、幅広いレパートリーを手がけ、国内外でリーディングソリストとして活躍を続けている。日本では1997年、チョン・ミョンフン指揮 アジア・フィルのソリストとしてデビュー。以後、国内外様々なオーケストラと共演を重ね、高度な技術と作品の品位を尊ぶ深い音楽性に高い評価を得ている。近年は小菅優とのデュオでドイツ・ツアーを行い、また自ら企画するコンサートを行うなど、コンサート・プロデューサーとしての才能も発揮、リサイタルだけではなく室内楽にも積極的に取り組んでいる。2018-19シーズンは、欧米での活動と平行し、国内ではP.インキネン指揮 日本フィルハーモニー交響楽団 、下野竜也指揮 広島交響楽団、小泉和裕指揮 東京都交響楽団など、国内主要オーケストラとの共演の他、小菅優とのブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会を中心にソロ&室内楽プロジェクトを幅広く展開する。後進の指導にも積極的に取り組み、2018年より桐朋学園大学院大学(富山)教授に就任。5歳の時にヴァイオリンを始め、R.リプセット、D.ディレイ、川﨑雅夫、Z.ブロンの各氏に師事。

三浦文彰(ヴァイオリン)Fumiaki Miura (Violin)

2009年世界最難関とも言われるハノーファー国際コンクールにおいて、史上最年少の16歳で優勝。国際的に一躍脚光を浴びた。東京都出身。両親ともにヴァイオリニストの音楽一家に生まれ、3歳よりヴァイオリンを始め安田廣務氏に、6歳から徳永二男氏に師事。2003年、04年と全日本学生音楽コンクール東京大会小学校の部第2位、2006年4月ユーディ・メニューイン国際ヴァイオリンコンクール・ジュニア部門第2位などを受賞。2009年10月には、ハノーファー国際コンクールにて史上最年少で優勝。同時に、聴衆賞、音楽評論家賞も受賞。地元紙では「確かな技術と、印象的なヴィルトゥオーゾ性あふれる心温まる演奏は、国際審査員や音楽評論家の評価を得るにとどまらず、聴衆の心をもつかんだ」と賞賛した。また、The Strad誌は、「驚くべきその演奏がハノーファー国際コンクールを席巻した」と評した。これまでに、モスクワにてオレグ・カガンメモリアルフェスティバル、ブラウンシュバイクフェスティバル、宮崎国際音楽祭、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、マントン音楽祭、ラクリン&フレンズ音楽祭、メニューイン・フェスティバルなどに出演。また国内主要オーケストラはもとより、ハンブルク北ドイツ放送響、シュトゥットガルト放送響、プラハ・フィル、ミルウォーキー響、オレゴン響、ユタ響、ウィーン室内管、ニュルンベルク響などとも共演している。ペンデレツキ80歳記念演奏会では、ペンデレツキ自身の指揮で演奏、ルーブルでのリサイタルでパリ・デビューと破竹の勢いで国際的な活動を展開している。また、NHK大河ドラマ「真田丸」テーマ音楽を演奏したことやTBS「情熱大陸」への出演も大きな話題となった。2017年には、ロンドンにおけるリサイタル・デビューを果たし、フェドセーエフ指揮チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラとの日本ツアーを行う。2018年は、イタマール・ゴランとのリサイタル・ツアー、ロイヤル・リヴァプール・フィルとの日本ツアーを行い、ロンドンでズーカーマン指揮ロイヤル・フィルと、サンクトペテルブルクの白夜際においてゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団と共演し、大成功をおさめた。また、2018年10月より始まったサントリーホールARKクラシックスのアーティスティック・リーダーに就任した。CD録音も活発に行っており、リントゥ指揮ベルリン・ドイツ響と共演した「チャイコフスキーとメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲」、「名曲コレクション」などをエイベックス・クラシックスよりリリース。2009年度第20回出光音楽賞受賞。これまでに、ザハール・ブロン、ジャン=ジャック・カントロフ、チョーリャン・リン、パヴェル・ヴェルニコフの各氏に師事。(公財)明治安田生命クオリティオブライフ文化財団より奨学金を得て、ウィーン私立音楽大学に入学、パヴェル・ヴェルニコフ氏、ジュリアン・ラクリン氏のもとで研鑽を積んだ。使用しているヴァイオリンは、宗次コレクションより貸与されたストラディヴァリウス 1704年製作 “Viotti”。

鈴木康浩(ヴィオラ)Yasuhiro Suzuki (Viola)

桐朋学園大学卒業。ヴァイオリンを辰巳明子氏、ヴィオラを岡田伸夫氏に師事。第9回クラシックコンクール全国大会ヴィオラ部門第2位(1位なし)。第12回宝塚ベガ音楽コンクール弦楽部門第1位ほか受賞多数。2001年からベルリンのカラヤン・アカデミーで研鑽を積んだ後、ベルリン・フィルの契約団員となる。04年に帰国。サイトウキネンオーケストラ、宮崎国際音楽祭などで活躍しながら、室内楽では岡崎を拠点にアンサンブル天下統一で、新潟を拠点にTOKI弦楽四重奏団、そして東京では王子ホールのランチタイムコンサートのお昼の名曲サロンを年に二回企画、アンサンブルにも力をいれて活動をしている。桐朋学園大学、昭和音楽大学、洗足学園音楽大学で講師を務め後進の指導にあたっている。読売日本交響楽団ソロ首席ヴィオラ奏者。

アマンダ・フォーサイス(チェロ)Amanda Forsyth (Cello)

アマンダ・フォーサイスは北米で最も精力的な活動をしているチェリストのひとりである。ソリスト、室内楽奏者として国際的な評価を得ており、その力強く豊かな響き、驚異的なテクニック、並はずれた音楽性により聴衆、批評家を魅了している。これまでにイスラエル・フィル、ロイヤル・フィルハーモニー管、シカゴ響、ワシントン・ナショナル響、フランス放送響、リスボン・グルベンキアン管、イギリス室内管、トロント響、シドニー響、アデレード響、ルクセンブルク・フィル等と共演。またゲルギエフ指揮/マリンスキー劇場管とは本拠地サンクトペテルブルクのほかツアーでも度々共演している。ズーカーマン・チェンバー・プレイヤーズのメンバーも務めており、これまでにエジンバラ、宮崎、ヴェルビエ、BBCプロムス、タングルウッド、ラヴィニア等の国際音楽祭に出演している。今シーズンの主な活動として、ナショナル・アーツ・センター・オーケストラとの共演によるマリアン・モゼティヒのチェロ協奏曲の世界初演、メータ指揮によるロス・フィル・デビュー、またズーカーマン・トリオのアメリカ東海岸やイタリアでのツアーなどが挙げられる。これまでに、ナクソス、アルタラ、ファンファーレ、マルキス、プロアルテ、CBC等からCDをリリース。2008年にはズーカーマン・チェンバー・プレイヤーズとイェフィム・ブロンフマンによるシューベルト「鱒」がソニー・クラシカルからリリースされた。最新盤はアナレクタよりリリースされたナショナル・アーツ・センター・オーケストラとピンカス・ズーカーマンとの共演によるブラームスの二重協奏曲である。南アフリカ生れ。幼少時にカナダに移住し、3歳でチェロを始める。ロンドンでウィリアム・プリース、その後ジュリアード音楽院でハーヴィー・シャピロに師事。使用楽器は1699年製のCarlo Giuseppe Testore。

遠藤真理(チェロ)Mari Endo (Cello)

2003年第72回日本音楽コンクールで第1位、2006年「プラハの春」国際コンクールにて第3位(1位なし)、2008年エンリコ・マイナルディ国際コンクールにて第2位。神奈川県出身。東京藝術大学を首席で卒業。臼井洋治、河野文昭、山崎伸子、藤森亮一、クレメンス・ハーゲンの各氏に師事。2007年ザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学マギスター課程を満場一致の最高点で卒業。同年神奈川県より文化賞未来賞を、2009年12月には齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞した。2006年9月にリサイタルデビュー。これまでにアンサンブル金沢、新日本フィル、東京シティフィル、東京都響、東京フィル、東響、神奈川フィル、札幌響、山形響、名古屋フィル、日本センチュリー、九州響など国内主要オーケストラに招かれ、小林研一郎、井上道義、飯森範親、山田和樹、ゲルハルト・ボッセ、ジャン・ピエール・ヴァレーズ、ルドヴィーク・モルローなど国内外で活躍する指揮者と共演。ドイツ・キームガウ春の音楽祭、神戸国際芸術祭では世界で活躍中の若手奏者を集めたアンサンブル・ラロと、ザルツブルクにてザルツブルク・ゾリステンとも共演するなど、室内楽奏者としても活躍中。またウィーン室内管、プラハ響とも共演し、国内外のアーティストから高い評価を得る。2010年NHK大河ドラマ「龍馬伝」の「龍馬伝紀行」(第三部)での音楽演奏を担当。同曲が収録された「Cello Melodies 龍馬伝紀行Ⅲ」をはじめ3枚のソロ・アルバムと、川久保賜紀(ヴァイオリン)、三浦友理枝(ピアノ)とのトリオ・アルバム「RAVEL」、そして2018年7月には読売日本交響楽団(指揮:小林研一郎)とのドヴォルザーク:チェロ協奏曲のCDがエイベックス・クラシックスよりリリースされている。ソリストとして活動しながら2017年4月より読売日本交響楽団のソロ・チェロ奏者にも就任。2012年4月より、NHK-FMのクラシック音楽番組「きらクラ!」(毎週日曜日/全国放送)でパーソナリティを務めるなど活動の幅を広げ、その朗らかな語り口で、子供向けのコンサートにも力を注いでいる。

遠藤真理オフィシャル・ウェブサイト  http://endomari.com

池松宏(コントラバス)Hiroshi Ikematsu (Contrabass)

1964年ブラジルに生まれる。19歳よりコントラバスを始め、堤俊作氏に師事。桐朋学園大学音楽学部入学後、オーケストラ、室内楽などを小野崎充、西田直文、田中雅彦の各氏に師事。在学中、ソリストオーディションに合格し、桐朋学園オーケストラとコンチェルトを協演。卒業後、カナダの音楽祭に度々参加、ゲーリー・カー氏に師事。89年NHK交響楽団に入団、94年より同団首席奏者を務める傍ら、ソロや室内楽などでも幅広く活躍。92年指揮者を置かない弦楽合奏団「ストリング・アンサンブル・ヴェガ」を創立し、主宰としてカザルスホール及び紀尾井ホールなどで毎年1回の定期公演を開催。ボッテシーニ作曲「協奏的大二重奏曲」ではソリストを務め、絶賛を博した。また現代曲の演奏や初演に積極的に取り組む「プレイアード五重奏団」のメンバーとして、アルバムをリリース。99年には初めてのソロ・リサイタルを開催、洗練された音楽性と驚異的なテクニックを披露し、一躍話題の的となった。その後もびわ湖ホール、白寿ホール、東京オペラシティー、サントリー小ホールなどでリサイタルを行い、いずれも高評を得た。またライブ活動も積極的に行い、ソロ・コントラバス、アンサンブル、サイレントベース5台による公演等、クラシックの枠にとらわれない柔軟なアイディアとパフォーマンスで数多くの聴衆を魅了した。その他、倉敷音楽祭、宮崎国際音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン、ドレスデン音楽祭、サイトウ・キネン・フェスティバル松本への参加、JTアートホール室内楽シリーズ、水戸室内管弦楽団などへの出演等、国内外の一流演奏家からの信頼も厚く、共演を希望する声は後を絶たない。レコーディングも活発に行っており、これまでに6枚(「オーパ、コントラバス!」「ノーヴァ、コントラバス!」「5つのアヴェマリア」「ラフマニノフ・ソナタ」「日本の詩」「ショパン・ソナタ」)のソロ・アルバムをリリース。平原綾香の「明日」や「アヴェ・マリア」のCDでもソロで共演している。2006年NHK交響楽団を退団。拠点をニュージーランドに移し、同年5月にニュージーランド交響楽団首席コントラバス奏者に就任。2014年帰国し、現在東京都交響楽団首席奏者。紀尾井ホール室内管弦楽団、水戸室内管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラのメンバー。後進の指導にも力を注いでおり、現在東京藝術大学准教授、国立音楽大学客員教授。またイギリス、ポーランド、オーストラリア、中国など海外の音楽祭や音楽大学に招かれマスタークラスやリサイタルを行なっている。世界のトップ・コントラバス奏者の一人として一層の注目を集めている。渓流釣りが趣味で2013年ニュージーランド・ナショナル・フライフィッシング・ペア大会優勝。

辻󠄀井伸行(ピアノ)Nobuyuki Tsujii (Piano)

2009年6月に米国テキサス州フォートワースで行われた第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初優勝して以来、国際的に活躍している。11年はカーネギーホールの招聘でリサイタル、12年はアシュケナージの指揮でロンドン・デビュー、ゲルギエフの指揮でサンクト・ペテルブルクにデビュー。13年にはイギリス最大の音楽祭「BBCプロムス」に出演し「歴史的成功」と称賛された。14年にはゲルギエフ指揮でミラノ・デビュー。同年ルーヴル美術館でのリサイタルは世界へインターネット中継された。15年には佐渡裕指揮でウィーン・デビュー、ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルとドイツ及び日本で共演。16年はM.ザンデルリンク指揮ドレスデン・フィルとのドイツ・ツアー、ロンドンでのリサイタル・デビュー、アシュケナージ指揮でのシドニー・デビュー。17年はアシュケナージ指揮でベルリン・ドイツ響にデビュー、ユロフスキ指揮ロンドン・フィルと日本ツアー、パリのシャンゼリゼ劇場でのリサイタルが絶賛された。18年もV.ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルとの日英での共演、アシュケナージ指揮アイスランド交響楽団と共演し、19年も日欧米で注目の公演が多数予定されている。07年よりエイベックス・クラシックスより継続的にCDを発表し、2度の日本ゴールドディスク大賞を受賞。作曲家としても注目され、映画《神様のカルテ》で第21回日本映画批評家大賞を受賞。09年、文化庁長官表彰(国際芸術部門)。10年、第11回ホテルオークラ音楽賞及び第1回岩谷時子賞受賞。13年、第39回日本ショパン協会賞受賞。

野平一郎(ピアノ)Ichiro Nodaira (Piano)

東京藝術大学、同大学院修士課程作曲科を修了後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学ぶ。作曲、ピアノ、指揮、プロデュース、教育などの多方面にわたる活動を行う。ピアニストとしては内外の主要オーケストラにソリストとして出演する一方、多くの国際的名手たちと共演し、室内楽奏者としても活躍。古典から現代までレパートリーは幅広い。近年は指揮者としても高い評価を得る。作品は100曲に及び、2002年エレキギター協奏曲『炎の弦』(エレキギター:スティーヴ・ヴァイ)、05年オペラ『マドルガーダ』(指揮:ケント・ナガノ)、12年サクソフォンとコンピュータのための『息の道』(独奏:クロード・ドラングル)、16年モントリオール交響楽団委嘱作品『祝典序曲』(指揮:ケント・ナガノ)同年サントリーホール委嘱による『触知できない領域~チェロとピアノのための~』、同年10月にはサントリー芸術財団主催「作曲家の個展2016」において、『管弦楽のための「時の歪み」』、西村朗氏との共作による『ピアノ協奏曲〈クロッシングA・I〉』、17年ヴェネツィア・ビエンナーレ委嘱作品『追悼の打』を次々と発表、いずれも高い評価を受ける。18年NHK交響楽団との3年に亘るプロジェクトがスタート、三部作「シズオカ・トリロジー」の第一作を自ら指揮し初演。同年8月、サントリーホールサマーフェスティバルのプロデューサーをつとめ、室内オペラ『亡命』を指揮し世界初演、いずれも圧倒的な成功を収めた。オーケストラ・ニッポニカ ミュージック・アドヴァイザー。第13回中島健蔵音楽賞、芸術選奨文部大臣新人賞、第11回京都音楽賞実践部門賞、第35回サントリー音楽賞、第55回芸術選奨文部科学大臣賞、第44回、第61回尾高賞を受賞。2012年には紫綬褒章を受章。現在、静岡音楽館AOI芸術監督。東京藝術大学作曲科教授。

リリー・マイスキー(ピアノ)Lily Maisky (Piano)

パリに生まれ、すぐにブリュッセルに移る。4歳でピアノを始め、2001年から05年までパーセル音楽学校に学び、更にそこではジャズピアノについても学ぶ。アルゲリッチ、バシキーロフ、カリクシュタイン、ギリーロフらの指導を受ける。カーネギーホールの熱帯森林保護団体チャリティ・ガラ・コンサートでデビュー。ドイツ・グラモフォンで父ミッシャの録音に参加、またEMIからは「マルタ・アルゲリッチ・プロジェクト」のライヴ録音をリリース。これまでに数多くの録音に参加している。また演奏の多くは、世界各地でのテレビ、ラジオ放送を通じて聴衆に届けられている。ソロ・室内楽双方で活躍し、ヴェルビエ音楽祭、フィレンツェ五月祭、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭、ルガーノ音楽祭、エディンバラ音楽祭、北京ピアノフェスティバル等に参加。またロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ウィーン・コンツェルトハウス、モスクワ音楽院、ヴェニス・フェニーチェ劇場、サントリーホール等各国主要ホールに出演。スラトキン、トーマス・ザンデルリング、ゲルト・アルブレヒト、ライスキン、ヴェロネージ等の指揮のもと協奏曲のソリストとしても活躍。室内楽では父ミッシャのほか、ラクリン、ヤンセン、カプソン、アンゲリッシュらと共演している。

広上淳一(指揮)Junichi Hirokami (Conductor)

東京生まれ。東京音楽大学指揮科に学ぶ。1984年、26歳で「第1回キリル・コンドラシン国際青年指揮者コンクール」に優勝。以来、フランス国立管弦楽団、ベルリン放送交響楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団、モントリオール交響楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ウィーン交響楽団などメジャー・オーケストラへの客演を展開。これまでノールショピング交響楽団、リンブルク交響楽団、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団のポストを歴任、このうちノールショピング響とは94年に来日公演を実現、さらに米国ではコロンバス交響楽団音楽監督を務めヨーヨー・マ、ミドリをはじめ素晴らしいソリストたちとともに数々の名演を残した。近年では、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団、スイス・イタリア管弦楽団、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団、バルセロナ交響楽団、ビルバオ交響楽団、ポーランド国立放送交響楽団、スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団、チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ、ラトビア国立交響楽団、ボルティモア交響楽団、シンシナティ交響楽団、ヴァンクーヴァー交響楽団、サンパウロ交響楽団、ニュージーランド交響楽団等へ客演。国内では全国各地のオーケストラはもとより、サイトウ・キネン・オーケストラ、水戸室内管弦楽団にもたびたび招かれ絶賛を博している。オペラ指揮の分野でもシドニー歌劇場デビューにおけるヴェルディ《仮面舞踏会》、《リゴレット》が高く評価されたのを皮切りに、グルック、モーツァルトからプッチーニ、さらにオスバルト・ゴリホフ《アイナダマール》の日本初演まで幅広いレパートリーで数々のプロダクションを成功に導いている。2008年4月より京都市交響楽団常任指揮者を経て2014年4月より常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー。2015年には同団とともにサントリー音楽賞を受賞、現在11シーズン目を迎えている。2017年4月からは札幌交響楽団友情客演指揮者も務める。また、東京音楽大学指揮科教授として教育活動にも情熱を注いでいる。

宮川彬良(指揮)Akira Miiyagawa (Conductor)

1961年東京都出身。劇団四季、東京ディズニーランドなどのショーの音楽で作曲家デビュー、自らを舞台音楽家と称する。代表作に「ONE MAN’S DREAM」「身毒丸」「ザ・ヒットパレード」「マツケンサンバⅡ」などがある。また、演奏活動にも精力的に取り組み「宮川彬良&アンサンブル・ベガ」「宮川彬良×米良美一ふたりの歌謡ショウ」「コンチェルタンテⅡ 宮川彬良vs新日本フィルハーモニー交響楽団」「0歳からのパントマイム・オーケストラ」等、さまざまなコンサートを日本全国で行っている。これらは『コンサートはショーである』を信条に作曲、編曲、指揮、ピアノ演奏、解説すべてが自身で為され、幅広い層に親しまれている。NHK Eテレ「クインテット」、 BS2「どれみふぁワンダーランド」、BSプレミアム「宮川彬良のショータイム」で音楽担当、ならびに出演。歌劇「ブラックジャック」、アニメ「宇宙戦艦ヤマト2199/2202」、ミュージカル「ナイン・テイルズ」、木曜時代劇「ちかえもん」、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」の音楽、現在NHK Eテレ「らららクラシック」準レギュラーで出演など、多岐にわたって活躍中。

中村恵理(ソプラノ)Eri Nakamura (Soprano)

大阪音楽大学、同大学院修了。新国立劇場オペラ研修所を経て、2008年英国コヴェントガーデン王立歌劇場にデビュー。翌年、同劇場の『カプレーティ家とモンテッキ家』にアンナ・ネトレプコの代役として出演し、一躍脚光を浴びる。2010-2016年、バイエルン国立歌劇場のソリストとして専属契約。『フィガロの結婚』スザンナ役でデビュー後、ケント・ナガノ、キリル・ペトレンコ、大野和士らの指揮のもと、『魔笛』『ホフマン物語』『ヘンゼルとグレーテル』等に主要キャストとして出演。その他、ワシントン・ナショナル・オペラ、ザルツブルク州立歌劇場など客演多数。2016年11月には『チェネレントラ』クロリンダ役でウィーン国立歌劇場にデビューするなど活躍の場を広げている。宮崎国際音楽祭には2017年『椿姫』ヴィオレッタ、2018年『蝶々夫人』題名役で出演し、いずれも絶賛された。2019年は『ラ・ボエーム』ミミ役で登場する。また、7月に開催される、東京文化会館と新国立劇場の連携プロジェクト「オペラ夏の祭典2019-20」の『トゥーランドット』リュー役として出演予定。2012年度アリオン賞、2015年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、2017年第47回 JXTG音楽賞洋楽部門奨励賞受賞、2017年度兵庫県芸術奨励賞受賞。

三宅理恵(ソプラノ)Rie Miyake (Soprano)

東京音楽大学卒業、同大学院修士課程(オペラ)首席修了。2006年よりニューヨークに留学。ドーン・アップショウ、ロレーヌ・ヌーバー各氏の下で研鑽を積む。バード音楽院特待奨学生修士課程修了。2010年藤沢オペラコンクール奨励賞受賞。クリスティアン・アルミンク指揮新日本フィルハーモニー交響楽団『レオノーレ』(演奏会形式)マルツェリーネ役を演じ、小澤征爾音楽塾オペラプロジェクトではアンダースタディやカヴァーキャストとして数多く参加。同プロジェクト『カルメン』では急遽メインキャストとしてフラスキータを演じ、大好評を博した。2011年宮本亜門演出『フィガロの結婚』で二期会デビュー、その後、新国立劇場、日生劇場等に出演。2017年7月佐渡裕プロデュースオペラ『フィガロの結婚』バルバリーナ、9月にはパーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団定期演奏会にて、モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』(演奏会形式)ツェルリーナを務め、絶賛を博す。コンサートでは、フォーレ/A.ロイドウェバー/モーツァルト「レクイエム」、シューベルト「ミサ曲第5番」等をレパートリーとし、2015年「マエストロ・オザワ80歳バースデーコンサート」、2016年セイジ・オザワ松本フェスティバルにて、F.ルイージ指揮マーラー:交響曲第2番 「復活」、2017年小澤征爾指揮水戸管弦楽団第100回定期演奏会「第九」のソリストを務める。村上龍著「日本の伝統行事Japanese Traditional Events(講談社)」収録の「日本の童謡と唱歌集/坂本龍一監修」では、日本の童謡ならびにその英語版の楽曲に参加。村上龍氏より「国境を越えた」声として評される。他にも、東京フィルハーモニー交響楽団「こども音楽館」等で指揮者ダン・エッティンガーの同時通訳を兼ねて出演、また「名曲アルバムコンサート」ではNHK交響楽団メンバーと共演している。海外では、2008年、デイヴィッド・ブルース作曲のオペラ〈A Bird in Your Ear〉(世界初演)王女役、2009年にはパオラ・プレスティーニ作曲のオペラ〈Oceanic Verses〉ソリストとしてカーネギーホール・デビューを果たした。二期会会員。

鷲尾麻衣(ソプラノ)Mai Washio (Soprano)

東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。文化庁派遣芸術家研修員としてニューヨーク、ロームミュージックファンデーション特別研究生としてロンドンに留学。セント・アンドリューズ国際コンクール優勝等、入賞多数。海外ではニューヨーク・ハンターカレッジにて『安寿と厨子王』安寿で主演し、ニューヨーク・タイムズ紙に「ソプラノ鷲尾麻衣は傑出していた」と絶賛される。その後もプエルトリコIVAI『魔笛』(メトロポリタンオペラ・ナドラー指揮)夜の女王、カナダの日加友好80周年記念ガラ・コンサートに出演するほか、08年にはカーネギーホールにて、オーケストラコンサートのソリストとしてデビュー。国内では横浜みなとみらい『フィガロの結婚』ケルビーノ、『こうもり』アデーレ、サントリーホールアカデミー『コジ・ファン・トゥッテ』デスピーナ、東京二期会『魔笛』パパゲーナのほか、新国立劇場『ドン・ジョヴァンニ』『こうもり』『魔笛』『カルメン』、小澤征爾音楽塾『こうもり』、東京芸術劇場『ドン・カルロス』(演奏会形式)等に出演。近年では16年東京フィル定期演奏会『イリス(あやめ)』(A.バッティストーニ指揮)ディーア/芸者、17年東京芸術劇場『真珠とり』レイラ、18年プレトニョフ指揮『イオランタ』(演奏会形式)などに出演し高い評価を得ている。コンサートに於いても東京フィル、東響、読響、新日本フィル、日本フィル等数多くのオーケストラと共演し、ベートーベン「第九」、マーラー「交響曲第4番」、モーツァルト「レクイエム」、フォーレ「レクイエム」、ラター「マニフィカト」のソリストとしても活躍するほか、オペラ『ブラックジャック』(宮川彬良作曲)、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」、NHK音楽祭オープニングコンサート、「題名のない音楽会」など多方面で活躍。今後のさらなる活躍が期待される。17年ファーストアルバム『MAI WORLD』をリリース。二期会会員

福井敬(テノール)Kei Fukui (Tenor)

岩手県出身。国立音楽大学及び同大学院修了。文化庁オペラ研修所を経て、文化庁在外派遣等により渡伊。イタリア声楽コンコルソミラノ大賞(第1位)、芸術選奨文部大臣賞新人賞、五島記念文化賞オペラ新人賞、ジロー・オペラ新人賞及びオペラ賞、出光音楽賞、エクソンモービル音楽賞本賞に加え、2014年には二期会『ドン・カルロ』の演唱等により第65回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。二期会『ラ・ボエーム』ロドルフォ役での鮮烈デビュー以来、数々のオペラに主演。群を抜く輝かしい声、音楽性豊かな表現力かつ情感溢れる演技により、聴衆を魅了している。古典から現代、日本の創作物まで、手掛けたオペラは60を越え、新国立劇場『ローエングリン』『トスカ』『罪と罰』等、びわ湖ホール『ドン・カルロ』『スティッフェーリオ』『こびと』等、藤沢市民オペラ『道化師』『魔笛』等、二期会『カルメン』『蝶々夫人』『ファウストの劫罰』等大役を次々と演じる。特に『トゥーランドット』カラフ役は様々なプロダクションで絶大な称賛を得ている。近年では二期会『オテロ』『パルジファル』『ホフマン物語』『ダナエの愛』『トリスタンとイゾルデ』、びわ湖&神奈川県民ホール『アイーダ』『タンホイザー』『椿姫』『ワルキューレ』『リゴレット』『さまよえるオランダ人』『ラインの黄金』、兵庫県立芸術文化センター『トスカ』等で、英雄的かつノーブルな存在感、深い苦悩の表現で観客を魅了。各々の異なる様式感を的確に表現し切り、プロダクションの全てを高いレベルで成功に導いた。この6月には大阪で『サロメ』のヘロデ、10月と1月には神奈川、愛知、札幌で『カルメン』のドン・ホセを歌う予定である。「第九」や宗教曲のソリストとしてもウィーン・フィルを始め様々なオーケストラと共演。小澤征爾やズービン・メータ等の国際的指揮者からも厚い信頼を得ている。CDは『君を愛す』『六騎~こころを歌う。』『アマリッリ麗し』等多数。国立音楽大学教授。東京藝術大学非常勤講師。二期会会員。

甲斐栄次郎(バリトン)Eijiro Kai (Baritone)

東京藝術大学卒業、同大学大学院修了。二期会オペラスタジオ第39期修了。修了時に最優秀賞、川崎靜子賞受賞。文化庁オペラ研修所第11期修了。1999年、文化庁派遣芸術家在外研修員としてニューヨークへ留学。平成14年度五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。2002年、五島記念文化財団の助成によりボローニャへ留学。イタリアにおいて第8回ザンドナイ国際コンクール第3位、第10回ティト・スキーパ国際コンクール第1位入賞。2003年9月、ウィーン国立歌劇場にデビューし、10年間にわたり専属ソリスト歌手として活躍。《シモン・ボッカネグラ》パオロでは、プラシド・ドミンゴ、レオ・ヌッチらと共演、エディタ・グルベローヴァとの共演で高い評価を得た《ロベルト・デヴェリュー》ノッティンガム公爵をはじめ、R.ムーティ指揮《フィガロの結婚》アントニオ、《ランメルモールのルチア》エンリーコ、《愛の妙薬》ベルコーレ、《ラ・ファヴォリータ》アルフォンソ11世、《蝶々夫人》シャープレス、《ラ・ボエーム》マルチェッロ、《マノン・レスコー》レスコー、《スペードの女王》イェレツキー等、42役で336回の公演に出演。来日公演においては《ロベルト・デヴェリュー》グアルティエーロ、《小学生のための魔笛》パパゲーノを務めた。国内では、二期会50周年記念《フィガロの結婚》フィガロ、小澤征爾音楽塾特別演奏会《ドン・ジョヴァンニ》タイトルロール、新国立劇場《鳴神》鳴神上人、《蝶々夫人》シャープレス、東京文化会館《古事記》イザナギ、東京芸術劇場コンサートオペラ《サムソンとデリラ》大司祭、《真珠とり》ズルガ等で出演。ベートーベン《第九》、ブラームス《ドイツ・レクイエム》、メンデルスゾーン《エリア》、フォーレ《レクイエム》等のソリストを務める。著書『ライカで綴る古都ウィーン』(アートデイズ刊)。東京藝術大学准教授。聖徳大学客員教授。洗足学園音楽大学客員教授。二期会会員。

今村雅彦(バリトン)Masahiko Imamura (Baritone)

東京藝術大学声楽科卒業。二期会オペラスタジオ第30期生修了(最優秀賞)。文化庁オペラ研修所第6期生修了。第33回全日本学生音楽コンクール全国大会第1位。第33回「藝大定期メサイア」バリトン・ソリストとしてデビュ―。第55回日本音楽コンクール第2位及び木下賞受賞。昭和61年度文化庁芸術家国内研修員。二期会公演『カルメン』のダンカイロ役でオペラデビュ―。文化庁派遣芸術家在外研修員としてScuola Musicale di Milanoミラノに留学。第2回カティア・リッチャレッリ国際声楽コンクール第1位。第30回ヴェルディ国際声楽コンクールファイナリスト。これまでに『ラ・ボエーム』のマルチェルロ、『ドン・ジョヴァンニ』タイトルロール、また初の日韓交流オペラ・二期会公演『リゴレット』のタイトルロール、実相寺監督初演出オペラ・二期会公演『魔笛』のパパゲーノ、新国立劇場オープニング公演オペラ『健』の舟士の長、長野オリンピック参加オペラ『善光寺物語』、『夕鶴』モスクワ公演の運ず、また東京電力主催世界劇『眠り王』、三枝成彰監修オペラ『椿姫』ジェルモン、藝大オペラ定期公演『フィガロの結婚』のフィガロ、『皇帝ティ-トの慈悲』のプブリオ、『ラ・ボエーム』のショナール、『イル・カンピエッロ』のアンゾレート、ひむかオペラ協議会主催公演『こうもり』のファルケ、『カルメン』のエスカミーリョ、『魔笛』のパパゲーノなど数多くのオペラに出演。コンサートでは、文化庁研修制度35周年記念「アートフェスティバル21」、二期会週間「クロスオーバーな夜」などに出演、またベートーヴェン「第九」「荘厳ミサ曲」、モーツァルト、フォーレ、ドュルフレー、ブラームス、ヴェルディの「レクイエム」などオラトリオ歌手として主要オーケストラと多数共演。東京藝術大学大学院オペラ科講師を歴任。日本演奏連盟会員。ひむかオペラ協議会副会長。二期会会員。

伊藤純(バス)Jun Ito (Bass)

宮崎県出身。大分県立芸術文化短期大学及び東京藝術大学卒業。同大学院オペラ科修士課程修了。第29回イタリア声楽コンコルソ入選。藝大オペラ『ラ・ボエーム』のアルチンドーロでデビュー。以後『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『リゴレット』『椿姫』『シモン・ボッカネグラ』『ドン・カルロ』等、様々なオペラに出演。50本を超えるオペラのレパートリーの中で、特に『ラ・ボエーム』コッリーネ、『魔笛』ザラストロは、はまり役として日本で圧倒的キャスト回数を誇る。新国立劇場、二期会、東京オペラプロデュース、日本オペラ協会、モーツアルト劇場、ロッシーニ協会等主催のオペラから東京・神奈川・千葉・広島・宮崎・大分・沖縄などの市民オペラにも多数出演した。二期会本公演では『魔笛』ザラストロ、『さまよえるオランダ人』ダーラント、『ラ・ボエーム』コッリーネ、『マクベス』医者・暗殺者・伝令、『ドン・カルロ』フィリッポⅡ世、『リゴレット』スパラフチーレ、『イル・トロヴァトーレ』フェランド、『魔弾の射手』クーノに出演した。2012年イギリスにてブリテン『カーリュー・リヴァー』の修道院長で出演。宮崎国際音楽祭には2015年『トゥーランドット』(演奏会形式)にティームール役で出演した。コンサートでは「第九交響曲」、三大「レクイエム」、「天地創造」「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」等を歌う。ウイーン楽友協会大ホールでモーツアルト「レクイエム」ソロ、韓国アートセンター大ホールでヴェルディ「レクイエム」ソロを歌う。08年・11年シューベルト「冬の旅」全曲を歌い、透明感のある細やかな表現が高い評価を得る。日本声楽アカデミー会員。東京藝術大学及び聖徳大学講師。二期会会員。

米良美一(カウンターテナー)Yoshikazu Mera (Countertenor)

2019年デビュー25周年を迎える米良美一は、「もののけ姫」の主題歌を歌って一世を風靡、その類まれな美声と音楽性で欧米でも高く評価されている。また、テレビやラジオ、CMにも多数出演し、親しみやすい人柄と個性豊かな語り口は、世代を越えて人気を集めている。1994年洗足学園音楽大学を首席で卒業。1995年第6回奏楽堂日本歌曲コンクール第3位入賞。1996年よりオランダ政府給費留学生としてアムステルダム音楽院に留学。国内外でのコンサートをはじめ講演会、文筆活動等幅広い活動を行っている。CDはキングレコードやスウェーデンBIS、韓国のレーベルより世界各国で多数発売されている。2014年には宮川彬良氏と「手紙」をリリース、2017年にはCDデビュー20周年を記念した2枚組のコンピレーションアルバム「無言歌」がキングレコードよりリリースされた。最近では「TeddyLoid / SILENT PLANET 2 EP vol.6 feat. 米良美一」がネット配信されている。著書に『天使の声~生きながら生まれ変わる』(大和書房)、石牟礼道子氏と『母』を出版。NHK放送90年記念大河ファンタジー・ドラマ「精霊の守り人」の出演がある。第12回日本ゴールドディスク大賞、第21回日本アカデミー賞協会特別賞として主題歌賞をそれぞれ受賞。現在、米良美一のラジオ「メラメラらじお」が沖縄・宮崎・岐阜・富山で放送されている。

米良美一オフィシャル・ホームページhttp://yoshikazu-mera.info/

米良美一のメラメラブログhttps://ameblo.jp/mera0521/ 

井上芳雄(ミュージカル俳優)Yoshio Inoue (Actor)

福岡県出身。大学在学中の2000年にミュージカル『エリザべート』で鮮烈なデビューを果たす。以降『モーツァルト!』『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』『グレート・ギャツビー』『ナイツ・テイル―騎士物語―』などのミュージカルほか、『組曲虐殺』『謎の変奏曲』『黒蜥蜴』『1984』などのストレート作品にも出演多数。様々な舞台で活躍する一方、音楽番組への出演やコンサートの開催など、歌手活動も意欲的に行っている。BS-TBS『美しい日本に出会う旅』ではナレーションのひとりを務めるほか、自身初のレギュラー番組としてTBSラジオ『井上芳雄 by MYSELF』のラジオパーソナリティーなど活躍の場を拡げている。第63回芸術選奨文部科学大臣新人賞演劇部門他、多数受賞。2018年7月にはニュー・アルバム『幸せのピース』を発売。舞台では、2019年1月から日本初演ミュージカル「ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812」に出演後、「十二番目の天使」「エリザベート」「組曲虐殺」などの出演を予定している。

木村花代(ミュージカル女優)Hanayo Kimura (Actress)

劇団四季の主演女優として『キャッツ』(グリドルボーン役)、『オペラ座の怪人』(クリスティーヌ役)、『美女と野獣』(ベル役)、『ウエストサイド物語』(マリア役)、他多数の作品に出演しヒロインを演じる。退団後は、LIVE活動も精力的に行い、NYカーネギーホールにて歌唱を披露。又、2013年Sound HorizonからリリースされたCD「ハロウィンと夜の物語」ではメインボーカルを務め多くのファンを魅了した。2018年芸能活動20周年を記念しCDアルバ厶「Change of Flower」を発売。 主な出演舞台は、『キューティ・ブロンド』(ブルック役)、『メリー・ポピンズ』(バンクス夫人)、『ひめゆり』(上原婦長)、丸美屋食品ミュージカル『アニー』(グレース役)、『ミス・サイゴン』(エレン役)、韓国ミュージカル『パルレ』(ナヨン役)、他多数。

草笛光子(女優)Mitsuko Kusabue (Actress)

1933年神奈川県出身。50年松竹歌劇団に入団。在団中に松竹から映画デビューし、退団後も数多くの舞台、映画に出演。58年自らが司会を務めた音楽バラエティ「光子の窓」がスタートし、人気を博す。日本ミュージカル界の草分け的存在として「ラ・マンチャの男」「シカゴ」の日本初演に参加。映画は「犬神家の一族」「沈まぬ太陽」「武士の家計簿」など、舞台は『私はシャーリー・ヴァレンタイン』『グレイガーデンズ』『ロスト・イン・ヨンカーズ』などに出演。『6週間のダンスレッスン』で読売演劇大賞優秀女優賞、松尾芸能賞大賞を受賞。また芸術祭賞を3度受賞している。13年第48回紀伊国屋演劇賞・個人賞、14年第39回菊田一夫演劇賞・特別賞、第42回山路ふみ子映画賞・文化財団特別賞を受賞。99年紫綬褒章、05年旭日小緩章を受章。

西田ひかる(女優)Hikaru Nishida (Actress)

1973年生後10か月から1985年中学2年生までアメリカ・ロサンゼルスで暮らす。’88年「フィフティーン」(ポニーキャニオン)でレコードデビュー。同時にミュージカル「小公子セディ」に主演。同テレビアニメのテーマソングを歌うなど恵まれた芸能界スタートを果たす。シングル27枚、アルバム19枚発表。代表曲『ときめいて』『涙とまらない』『きっと愛がある』『人生変えちゃう夏かもね』。以来、持ち前の健康的な明るさと上品さと、何事にも前向きに努力する姿勢により歌手活動と合わせて、多くのCM・テレビドラマに出演。NHKで『西田ひかるの痛快人間伝』という冠番組を持ち、紅白歌合戦にも4回出演。ドラマ主演フジテレビ『いつも誰かと朝帰り?』『チャンス』『上を向いて歩こう』等。2001年NHK大河『北条時宗』で時宗の妻を演じる。テレビ番組『鶴ちゃんのプッツン5』『テレビ探偵団』。ミュージカル『楽園伝説』『シラノ・ザ・ミュージカル』『ロス・タラントス』『モーツァルト』、舞台『夏の庭』など。映画東宝『山田ばばあに花束を』、東映『伊能忠敬』。英語力を生かした国際的なイベントも含め司会の経験も豊富。アメリカ時代に体験したボランティア活動にも熱心で、年2回行っていたチャリティーバザー他、’98年2月に行われた長野冬季オリンピックでは、ピースアピールの長野オリンピックアンバサダーにも選ばれている。2002年5月に結婚、2人の男子を育て家庭を大事に仕事も充実して、ますますその存在は輝きを増している。

出演者(管弦楽団を含む)

ヴァイオリン

  • 会田莉凡
  • 石亀協子
  • 礒絵里子
  • 上野真理
  • 内尾文香
  • 宇根京子
  • 漆原朝子
  • 漆原啓子
  • 枝並千花
  • 扇谷泰朋
  • 掛川みずき
  • 景澤恵子
  • 川田知子
  • 北田千尋
  • 小池彩夏
  • 小寺麻由
  • 小林美樹
  • 小森谷巧
  • 佐份利恭子
  • 篠原悠那
  • 鈴木加寿美
  • 髙橋和貴
  • 坪井夏美
  • 徳永希和子
  • 直江智沙子
  • 中島麻
  • 長原幸太
  • 福田ひろみ
  • 正戸里佳
  • 松浦奈々
  • 松本蘭
  • 三浦章宏
  • 水谷晃
  • 横溝耕一

ヴィオラ

  • 安藤裕子
  • 安保惠麻
  • 大野かおる
  • 川﨑和憲
  • 川﨑雅夫
  • 篠﨑友美
  • 鈴村大樹
  • 須田祥子
  • 田中茜
  • 田原綾子
  • 飛澤浩人
  • 中恵菜
  • 百武由紀

チェロ

  • 荒庸子
  • 上村文乃
  • 上村昇
  • 黒川実咲
  • 笹沼樹
  • 高橋純子
  • 富岡廉太郎
  • 古川展生
  • 水野由紀
  • 三宅依子
  • 矢口里菜子
  • 矢部優典
  • 山本裕康

コントラバス

  • 赤池光治
  • 大川瑳武
  • 片岡夢児
  • 小室昌広
  • 佐野央子
  • 永島義男

フルート

  • 齋藤真由美
  • 斎藤光晴
  • 高木綾子
  • 松木さや

オーボエ

  • 南方総子
  • 古部賢一
  • 裵紗蘭
  • 森枝繭子

クラリネット

  • 糸井裕美子
  • 澤村康恵
  • 濱崎由紀
  • 三界秀実

バスクラリネット

  • 勝山大舗
  • 高子由佳

サクソフォン

  • 平野公崇

ファゴット

  • 鹿野智子
  • 草野雅行
  • 佐藤由起
  • 皆神陽太
  • 吉田將

ホルン

  • 五十畑勉
  • 西條貴人
  • 濵地宗
  • 村中美菜

トランペット

  • 杉本正毅
  • 高橋敦
  • 田中敏雄
  • 中山隆崇

トロンボーン

  • 小田桐寛之
  • 福田えりみ
  • 古荘恭英

テューバ

  • 荻野晋

パーカッション

  • 植松透
  • 勘座光
  • 河野玲子
  • 齊藤美絵
  • 清水太
  • 百瀬和紀
  • 山下雅雄

ハープ

  • 津野田圭

ギター

  • 大嶋吾郎

  • 片岡リサ

ピアノ

  • 梅村祐子
  • 加藤昌則
  • 小森谷裕子
  • 坂野伊都子
  • 宮川大典

パイプオルガン

  • 稻森愛

ソプラノ

  • 舟橋千尋

テノール

  • 清水徹太郎
  • 古屋彰久
  • 増田貴寛

バリトン

  • 五島真澄

バスバリトン

  • 内山建人

バス

  • 松森治

歌手

  • 宮川安利

指揮

  • 大谷麻由美

副指揮

  • 喜古恵理香

合唱指導

  • 浅井隆仁

司会

  • 伊豆瑶子
  • 萩原望

弦楽四重奏団

  • カルテット・アマービレ

宮崎県内の出演者

合唱

  • 宮崎県合唱連盟による有志

吹奏楽

  • 宮崎県吹奏楽連盟による有志

管弦楽

  • 宮崎国際音楽祭ジュニア・オーケストラ
    (宮崎ジュニアオーケストラと延岡ジュニアフィルハーモニーの混成オーケストラ)