宮崎国際音楽祭について

総監督ごあいさつ

青木賢児

宮崎国際音楽祭総監督 青木賢児 Kenji Aoki

毎年のことですが、年が明けると「今年の音楽祭の目玉はなんですか」と声をかけられます。宮崎国際音楽祭が宮崎の年中行事、あるいは風物詩の一つに数えられるようになったとの感を強くします。
今年は宮崎県立芸術劇場の創立20周年に当たっており、開館以来の利用者の数もこの1月に500万人を突破しました。秋には記念演奏会などを予定していますが、この音楽祭にも皆様への感謝の気持ちを込めたいと考えています。

今年の演奏会の聴きどころは沢山ありますが、ヴェルディとワグナーの生誕200年にちなんで、国際的オペラ指揮者沼尻竜典氏のタクトで、宮崎の合唱団にも参加して頂いて、演奏会形式による初のオペラ上演に挑戦します。

さらに海外からの演奏家としては、ヨーヨー・マと並んで世界の巨匠とされるミッシャ・マイスキー氏が初登場。比類がないとされるバッハの無伴奏チェロ組曲を演奏します。広上淳一氏の指揮による、サンサーンスのチェロ協奏曲も聞き逃せません。

また、去年5月に宮崎国際音楽祭に出演したピンカス・ズーカーマン氏は、8月に久しぶりにザルツブルク音楽祭に登場、アンジェラ・チェンさんのピアノ伴奏で祝祭大劇場いっぱいの観客を圧倒したと伝えられています。今年の宮崎国際音楽祭の室内楽にも、ピンカス・ズーカーマン氏とともにアンジェラ・チェンさんが出演、メンデルスゾーンのピアノトリオを共演します。

そのほか、えびの市と西都市でのサテライト・コンサートをはじめ、県民コンサート、名曲コンサート、エクスペリメンタル・コンサート、子どものための音楽会など、例年にも増して充実したプログラムを用意しています。

記念すべき年の音楽祭です。皆様のおいでを心からお待ちしています。