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演奏会〔4〕 「喪失と悲哀を越えて」 ~大野和士が捧げるレクイエム

更新日:2022年05月15日

「ヴェルレク」。そう呼び親しまれているヴェルディ作曲の「レクイエム」の演奏会を5月14日に開催しました。指揮は世界中で活躍を続ける大野和士さん。宮崎国際音楽祭管弦楽団のコンサートマスターにライナー・キュッヒルさん。ソリストには中村恵理さん(ソプラノ)、池田香織さん(メゾソプラノ)、宮里直樹さん(テノール)、妻屋秀和さん(バス)、さらに新国立劇場合唱団とそうそうたる出演陣が、揃いの黒の衣裳を身にまとい勢揃いしました。



世界を癒やす不滅の鎮魂歌として、数々の演奏家らが奏でてきた「レクイエム」。奇しくもこの不安定な世界情勢と重なる時機に、宮崎国際音楽祭での演奏が実現しました。



休憩なしの90分。演奏は時に雄々しく、時に子守歌のようで、大野さんの指揮に応えるように紡ぎ出される音楽は歌声と音色が重なり、会場中に降り注ぎます。奏者の全身全霊の演奏、最後の一音が鳴り終わるそのときまでじっと聴き入り、いつまでも心に残る演奏でした。 演奏会の終わりを名残惜むかのように、いつまでも鳴り止まない拍手に、大野さんと出演陣の皆さんは何度も笑顔で応えていました。



終演後のロビーは興奮さめやらぬ様子で、熊本から来た女性のお三方は、「マエストロ大野さんの指揮、生演奏の全曲通しで、ソロ、合唱、オケ、すべてを聴くことができたことは大変素晴らしいことでした。まだ心が震えるようです」と、語ってくださいました。(広報H)



photo:K.Miura

ヴェルディ:レクイエム

指揮:大野和士
ソプラノ:中村恵理
メゾソプラノ:池田香織
テノール:宮里直樹
バス:妻屋秀和
宮崎国際音楽祭管弦楽団
新国立劇場合唱団
合唱指揮:三澤洋史