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【公演レポート】 演奏会〔3〕 三浦文彰の挑戦「ヴィルトゥオーソたちとの新世界」

更新日:2022年05月19日

今回の公演は、三浦文彰が構成・選曲した室内楽コンサート!今や世界で活躍する三浦文彰さんがどんな音楽で音楽祭のワンシーンを綴るのか、満席の会場からは期待感と緊張感が漂っていました。 三浦文彰さんのヴァイオリン・ソロで演奏する「赤とんぼ」の主題による小ファンタジーで演奏会がスタート。赤とんぼの旋律が形を変えながら、ヴァイオリン一本で歌うように奏でられ、会場からは温かな拍手が贈られました。 そして、音楽祭ではおなじみのヴァイオリンのライナー・キュッヒルさんと、フランスの巨星ジャン=エフラム・バヴゼさんのピアノとの二重奏で贈るモーツァルトのロンド。華やかで軽やかな演奏に心が浮き立ちました。

休憩前最後の曲は、チェロのミッシャ・マイスキーさんが加わり、ラヴェルのピアノ三重奏曲。浮遊感のあるピアノの響きの中で、ヴァイオリンとチェロが会話するような掛け合い。ときに地面から振動が伝わるほど激しく打ち付けるような演奏に、感情が揺り動かされたのではないでしょうか。

休憩が明け、前半に出演した4名がそろってシューマンのピアノ四重奏曲を披露。重厚な響きに酔いしれ、最後は一気に駆け抜けて終演! ご来場の方からは大きな拍手が贈られました。

アンコール前、三浦文彰さんから「室内楽の魅力は、音楽の原点であるところに思います」というメッセージを贈りました。
アンコールには、故・アイザックスターンが音楽祭で最後に演奏した曲、ブラームス作曲「ピアノ四重奏曲 第3番 ハ短調 作品60より第3楽章」を演奏しました。

休憩中、ご来場のお客様にインタビューを行いました。
「三浦文彰さんが演奏した赤とんぼが、日本的なだけではなく、クラシックも感じられるような編曲で面白かったです。三浦さんの海外などのいろいろな経験が音楽に乗って感じられました。そして、キュッヒルさんのヴァイオリンの音色も美しかった。マイスキーさんのチェロはウィットに富んでいて、時々ふわっと明るい表情を奏でてくれます。人間性があふれ出ているような気がして聴いていて楽しくなりました。」(広報S)

福田恵子:「赤とんぼ」の主題による小ファンタジー*(ヴァイオリン・ソロ)
モーツァルト:ロンド ハ長調 K.373(ヴァイオリン/ピアノ)
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ長調
シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47**
<アンコール>
ブラームス:ピアノ四重奏曲 第3番 ハ短調 作品60より第3楽章

ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル
ヴァイオリン*/ヴィオラ**:三浦文彰
チェロ:ミッシャ・マイスキー
ピアノ:ジャン=エフラム・バヴゼ

http://www.mmfes.jp/

photo:K.Miura