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公演レポート 演奏会〔3〕 ザハロワ&レーピン 『パ・ド・ドゥ』ロシア最高峰のバレエとヴァイオリン

更新日:2021年08月31日

 8月9日(月)、演奏会〔3〕ザハロワ&レーピン『パ・ド・ドゥ』を開催しました。世界最高峰のバレエとヴァイオリンの二人の共演、音楽祭初のバレエ公演で、チケット発売後すぐに完売してしまった人気公演でもあり、期待感が高まります。音楽祭屈指の弦楽アンサンブルの演奏も注目です。

 1曲目は、パガニーニ:「ヴェネツィアの謝肉祭」による変奏曲。ワディム・レーピンさんがヴァイオリンを構え、音を出すと、会場中がうっとりとして、演奏に引き込まれていきました。目にもとまらぬ速さで動く指。ドキドキワクワクの1曲目でした。

 そして2曲目、グラズノフ:バレエ『ライモンダ』より「グラン・アダージョ」。スヴェトラーナ・ザハロワさんが登場すると会場中から大きな拍手が送られました。ゆっくりとした、美しいメロディに合わせて、ザハロワさんのバレエが始まりました。そのしなやかで指先まで研ぎ澄まされた身体表現に、呼吸を忘れて見入ってしまいました。

 その後も演奏とバレエを交互にお届けしました。レーピンさんと小林美樹さんがソリストとして演奏する、フロロフ「2つのヴァイオリンとオーケストラのためのディヴェルティメント」は、カントリーの要素も含まれたような、陽気な演奏で会場を和ませました。

 津野田圭さんのハープとレーピンさんのヴァイオリンが奏でるサン=サーンスの「瀕死の白鳥」では、世界最高峰のバレリーナであるザハロワさんが、儚くも美しく、必死にもがく白鳥の姿を見事に表現。舞台が暗転すると、その見事な舞に大きな拍手が送られました。

インタビューにお答えいただいた、娘さんと二人で来場されたK.O.さんは、「一生に一度、ザハロワさんの『瀕死の白鳥』を肉眼で見たいと思っていました。生きていてよかった。一緒に見た子どもたちも、本物はわかるんだなと感心しました。」と、今回の公演への感想をお話ししていただきました。

最後はバッツィーニ作曲「レ・リュタン」より。男性ダンサーの一人が飛んだり跳ねたり、ヴァイオリンを演奏するレーピンさんのおしりを蹴ってちょっかいを出したり、会場から笑い声が。ザハロワさんも、これまでの真剣な姿からうって変わってかわいらしい姿で登場。笑顔で舞台いっぱいにあちこち飛んだり跳ねたりして、元気をいっぱいもらえたステージでした。

 アンコールは「チャールダーシュ」。5人のダンサーが縦横無尽に舞台上を飛び回り、その迫力に会場からは手拍子も自然と起こりました。アンコールが終わっても拍手が鳴りやまず、何度も何度もカーテンコール。
世界的ヴァイオリニストとバレリーナによる夢のような舞台。たくさんの来場者を笑顔にした、素敵な一日となりました。(広報S)

【プログラム】
パガニーニ:「ヴェネツィアの謝肉祭」による変奏曲
グラズノフ:バレエ『ライモンダ』より「グラン・アダージョ」(バレエ:スヴェトラーナ・ザハロワ/ミハイル・ロブーヒン)
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
ヘンデル:『ヘンデル・プロジェクト』*録音音源(バレエ:スヴェトラーナ・ザハロワ/デニス・サーヴィン)
フロロフ:2つのヴァイオリンとオーケストラのためのディヴェルティメント
モンテヴェルディ/モレッティ:『カラヴァッジオ』(バレエ:スヴェトラーナ・ザハロワ/ジャコポ・ティッシ)

サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
J.ウィリアムズ:『シンドラーのリスト』より「Revelation」*録音音源(バレエ:スヴェトラーナ・ザハロワ)
マスネ:タイスの瞑想曲
サン=サーンス:「瀕死の白鳥」(バレエ:スヴェトラーナ・ザハロワ、ヴァイオリン:ワディム・レーピン ハープ:津野田圭)
バッツィーニ:「レ・リュタン」より(バレエ:スヴェトラーナ・ザハロワ/ミハイル・ロブーヒン/ヴャチェスラフ・ロパーティン/ヴァイオリン:ワディム・レーピン)
Photo:K.Miura