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公演レポート&インタビュー
―シリーズ「Oh!My!クラシック」 バッハと太一と五・七・五~夏井いつきの俳句人生―

更新日:2021年08月08日

 8月5日も大盛況の中、無事に終了致しました。著名人による音楽談義で毎回、大好評のシリーズ「Oh!My!クラシック」。今回は俳人・夏井いつきさんをトークゲスト、カウンターテナー・米良美一さんを司会・進行に迎えてお贈りしました。テレビ番組でも共演されたことのある夏井さんと米良さんのおしゃべりは軽快で、会場からは楽しい笑い声が途切れることなく聞こえてきました。そして、夏井さんの俳句人生を支えるお話を交えながら、アンサブルなどの演奏も披露されました。演奏は、ヴァイオリン・正戸里佳さん、チェロ・荒庸子さん、ピアノ・山中惇史さんです。



 夏井さんは30代で中学校の国語教師から俳人に転身され、「俳句の種まき」を掲げ全国で多岐に渡る活動を30年以上続けられています。俳句の動画配信もされていて「わたしユーチューバーなの!」とお茶目な様子に早速、会場の笑いを誘っていました。




 音楽談義ということで、夏井さんの妹さんの旦那様は、第6回チャイコフスキー国際コンクールで優勝されたチェリストのナサニエル・ローゼンさんの話題に。家族と過ごすときにローゼンさんの演奏するバッハ作曲の「無伴奏チェロ組曲第1番」をずっと聴いていたことから、夏井さんはバッハが好きになったそうです。その思い出の曲の「無伴奏チェロ組曲第1番」より プレリュード、メヌエットや、ビル・エヴァンス作曲「ワルツ・フォー・デビィ」が演奏されました。さらに、武満徹作曲の「小さな空」では米良さんの歌が披露され、しっとりとしたピアノの音色に合わせた歌声が心地よく会場に響きました。お話を挟んで演奏は続きJ.S.バッハ作曲「羊は安らかに草を食み」、グノー作曲「アヴェ・マリア」などが演奏されました。





 公演タイトルにもある“太一”とは夏井さんのお孫さんで、その誕生から俳句に詠んで、お孫さんの成長を見守られているようです。中でも「太一と申す」という俳句には横尾嘉信さんによる曲がつけられており、今回の公演では歌手のマユミーヌさんによる歌の披露がありました。音楽として聴く俳句には、文字で詠むものとはまた違った面白さがあり、会場の皆さまは興味深そうに聴き入っていました。



 さらに本公演では、冒頭に演奏されたバッハ作曲の「無伴奏チェロ組曲 第1番」をお題にした俳句を事前に募集しました。本番では「夏井先生の俳句講座」と題して、夏井さんが選句した作品が発表され特選3句の選評も行われました。俳句を詠まれた方が表現したかったと思われる解釈などを夏井さんが分かりやすく解説すると、客席は頷きながら俳句の面白さを楽しんでいる様子でした。そして応募した方々が来場くださっており、作品の出来に夏井さんから「才能あり!!」とテレビ番組の俳句コーナーでお馴染みのセリフが飛び出すと、会場は大いに盛り上がりました。「俳句のファンを一人でも増やすことが私の役目だと思っています。俳句の種をたくさん蒔く活動をずっと続けていこうと思います」と夏井さん。



 公演の最後には、夏井さんへ贈るショパン作曲(イザイ編曲)「ワルツ 第14番 ホ短調」の音楽のプレゼントが披露されました。この曲は、ピアノの演奏曲として人気がありますが、今回はピアノとヴァイオリンでの演奏でした。ヴァイオリンの演奏でこのワルツを聴いたのは初めての方も多かったのではないでしょうか。



Photo:K.Miura

 終演後、お客様にお話を伺いましたのでご紹介いたします。市内からお越しの女性の方々です。
 「夏井さんは感性が鋭く、音楽にも造詣が深くて、とても賢い印象でした。夏井さんを支えている周りにいる方々も素敵な方が多くて、人徳のある方なのだと感じました」「会場に入る前から、カンナの花が感じよく飾られていて素敵です。カンナの飾り方がとても珍しいレイアウトで、品が良く、音楽も花も楽しませていただきました」。
 お話も音楽も花も、それぞれにお楽しみいただけたようです。インタビューにご協力いただきありがとうございました。(広報H)




【演奏曲】
バッハ作曲の「無伴奏チェロ組曲第1番」プレリュード、メヌエット
ビル・エヴァンス作曲「ワルツ・フォー・デビィ」
J.S.バッハ作曲「羊は安らかに草を食み」
グノー作曲「アヴェ・マリア」
横尾嘉信 作曲「太一と申す」
ショパン作曲(イザイ編曲)「ワルツ 第14番 ホ短調」

俳人/トークゲスト:夏井いつき
カウンターテナー/司会・進行:米良美一
歌:マユミーヌ
ヴァイオリン:正戸里佳
チェロ:荒庸子
ピアノ:山中惇史