ぷれぽ

【ぷれぽ】もう一つの小さな音楽会 vol.2

更新日:2019年05月18日

音楽祭の雰囲気を街なかへ。ホールよりも間近で一流奏者の演奏に触れることができるコンサート「もう一つの小さな音楽会」。その第2弾が5月17日、ガーデンテラス宮崎ホテル&リゾートで開催

されました。出演は、鷲尾麻衣さん(ソプラノ)、清水徹太郎さん(テノール)、ピアノ伴奏は矢房加奈子さん。柔らかな日の差し込む会場で、壁一面のガラスの向こうには、木々が風にそよぐ様子が見えます。

 

演奏会が始まる前に、お客様にはコースのお食事をお楽しみいただきました。デザートとコーヒーをお召し上がりになったところで、いよいよコンサートがスタート。矢房さんのピアノのイントロに乗って、鷲尾さんと清水さんの登場です。プッチーニ作曲、歌劇『椿姫』より「乾杯の歌」で華やかに幕を開けました。

お二人のソロの始めは、日本の歌を2曲。清水さんによる『荒城の月』(瀧廉太郎 作曲)は、ベートーヴェンの『月光』をアレンジしたピアノ伴奏の、歌声との掛け合いのような構成が、和と洋のコラボレーションを思わせ、会場の雰囲気にもマッチした一曲です。清水さんの情感を込めた静かな歌声に、日の差している会場でも、月の浮かぶ様子が見えるようでした。鷲尾さんは、『からたちの花』。作曲者山田耕筰の少年時代のつらい体験を北原白秋が詩にしたことが鷲尾さんから説明され、「皆さんの幼少期を思い浮かべてお聴きください。」との言葉と、語りかけるような歌い方に、お客様がたも、それぞれの子ども時代を思い出すように聴き入っていらっしゃいました。

 

次は趣を変えて、P. アンカ作詞、C. フランソワ/J. ルヴォ-作曲の『マイウェイ』。清水さんが柔らかく歌い始めるとお客様も優しい笑顔になり、決意を込めて堂々と歌う様子を共感するように見守ります。続く鷲尾さんは、E. サティ作曲『ジュ・トゥ・ヴー(あなたがほしい)』の感情表現の難しさを、都城市のご出身だという彼女の先生のエピソードを交えて話します。演奏前には、「この曲をご存じの方?」との質問に挙がった手はわずかでしたが、鷲尾さんが軽やかなワルツのリズムに恋心を乗せて歌い始めると、耳馴染みのあるメロディーに体を揺らすお客様もいらっしゃいました。

 

清水さんが歌劇『リゴレット』より「女心の歌」(ヴェルディ作曲)を歌う頃には、少し緊張気味だったお客様もほぐれてきたようです。陽気な歌いぶりに、大きな拍手も起こりました。そこからは、プッチーニ作曲のオペラ曲が続きます。まず鷲尾さんが歌劇『ジャンニ・スキッキ』より「私のお父さん」を歌うと、会場もすっかりリラックスムードに。お二人のトークに客席からは笑いもこぼれます。

続いては、音楽祭最終日の19日(日)に演奏会〔5〕でも演奏される歌劇『ラ・ボエーム』より。

アリア「冷たき手を」は、詩人ロドルフォがお針子ミミと恋に落ちる瞬間を描いた曲であることから、5月生まれのお客様にミミ役を務めていただき、清水さんがお客様の手を取って甘く優しく歌いかけます。また、ロドルフォの親友の元恋人ムゼッタが自分の魅力を高らかに歌い上げるアリア

「私が街を歩くと」では、鷲尾さんが男性のお客様がたと軽くステップを踏む場面も見られました。

 

最後に歌劇『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」。清水さんが朗々と歌うと、会場も厳かな空気に包まれます。アンコールは二人のデュエットでl. クアラントット作詞、F. サルトーリ作曲

『Time to Say Goodbye』。二人が声を合わせると、お客様も名残を惜しむように聴き入っていらっしゃいました。

 

終演後のアンケートには、「音楽もお食事もよく、間近で聴けたのも嬉しかった」、「馴染みのある曲で聴きやすかった」とのお声を多数いただきました。さわやかな午後のひとときをお楽しみいただけましたでしょうか?(広報S)

 

鷲尾さんと清水さん出演の演奏会〔5〕についてはこちら
第24回宮崎国際音楽祭 メインプログラム
演奏会〔5〕 プッチーニの世界「青春の光と影」
プッチーニ:歌劇『ラ・ボエーム』(全曲)
※コンサート形式/字幕付き (約3時間公演)

日時/令和元年5月19日(日) 開場14:00 開演15:00

会場/アイザックスターンホール
チケット料金/全席指定 SS席 10,000円(残りわずか)、S席 9,000円、A席 7,000円、B席 5,000円、C席3,000円、U25割 全席種半額、A席親子割 7,500円
(前売り料金。当日はU25割、A席親子割を除き、各500円増し。)

 

Photo:K. Miura